※エンベロープは、
単純ヘルペスウイルスやインフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなど一部のウイルス粒子に見られる膜状の構造で、エンベロープはウイルス粒子(ビリオン)の最も外側に位置しており、ウイルスの基本構造となるウイルスゲノムおよびカプシドタンパク質を覆っている。

インフルエンザウイルスは、「エンベロープ」という脂質性の膜をウイルス粒子のいちばん外側にもっており、この膜にウイルスが細胞に感染する上で重要なHA(ヘマグルチニン:赤血球凝集素、ウイルス表面のスパイクとも呼ばれる)やNA(ノイラミニダーゼ)があります。

エンベロープを有するウイルス(ワクシニア、インフルエンザ、ヘルペスなどのウイルス)に消毒用エタノール及び70%イソプロパノールが有効であるのに対して、ほとんどのエンベロープを有しないウイルス(アデノ、ロタ、コクサッキー、ポリオなどのウイルス)には消毒用エタノールは有効ですが、イソプロパノールは無効です。(肝炎ウイルスに対しては両者とも無効)

インフルエンザウイルスは、エンベロープを持つウイルスであり、石けんや消毒用アルコールなどで、容易にエンベロープが破壊されて失活する。
 ウイルス感染は、空気中のエアロゾルだけでなく手や衣類についた飛沫からも起きることがあるため、手洗いが感染予防に有効である。特に石けんや消毒剤を用いると効果が大きい。